マイクロスケール精密積層造形技術の世界的リーディングカンパニーであるBoston Micro Fabrication (以下、BMF)は、2400万ドル（約35億円）のDラウンド資金調達に成功したことを発表しました。これは、2022年に4300万ドルのCラウンド資金調達を完了したのに続く、1年後の新たな資金調達です。今回の資金調達は、最終用途の研究を引き続き進化させ、関連分野の産業化を推進することで、BMFの世界的な超精密3Dプリント分野でのリーダーシップをさらに強化することを目的としています。
BMFは2016年に設立され、2μｍの超高精度を実現できる世界で唯一の3Ｄプリンティングシステムプロバイターとして、産業界に超精密加工へ革新的な方法を提供しています。2023年6月までに、グローバルで 35カ国、約2000の企業や研究機関に採用されています。既にJohnson & JohnsonやGE Healthcareを含む世界トップ10の医療機器メーカーがすべてBMFと提携しており、また、世界トップ10の精密コネクタメーカーのうち9社がBMFと提携しています。
BMFの独自の投影型マイクロステレオリソグラフィ（PμSL）技術は、優れた造形精度と公差制御を備えています。さまざまな特性を持つ幅広い材料と関連する後処理工程を組み合わせることで、BMFは多くの産業分野での工業化を実現しています。数年にわたる深い協力関係を通じて、BMFは多くの企業と協力し、さまざまな分野に持続的なイノベーションと発展をもたらしています。また、BMFの超精密技術を基に、最近、ラミネートべニアやバイオリアクターなどの分野で大きな進展を遂げています。
-
ラミネートべニア分野において
現在、機械的切削に基づくセラミックデンタルベニアの最小厚さは、世界中で400μm以上ですが、BMFの超精密3Dプリント技術により、ラミネートべニアの最小厚さを40μmまで薄くすることができ、患者は歯を削ることなく、またはごく少量の削りで歯の表面を素早く美しくすることができるため、歯の形、歯の色、歯並びを改善できます。同時に、歯の表面の耐摩耗性、耐齲蝕性、天然エナメル質の保護を効果的に改善し、治療の過程で健康な歯列への損傷を回避し、さまざまな人口と健康の要件を満たすために、低侵襲的/非侵襲的な歯の表面の審美的再建と強化を実現します。
-
バイオリアクターの分野において
BMFはアメリカのサンディエゴに研究開発センターを設立し、革新的なバイオカルチャーチップの設計と開発に取り組んでいます。このバイオカルチャーチップは、3Dで多能性幹細胞や特定の組織の前駆細胞を培養し、腫瘍や人体の臓器の体外仿生組織（オルガノイドとも呼ばれる）の製造に活用され、薬剤スクリーニング、再生医学、精密医療において正確で信頼性の高い安定したテストプラットフォームを提供します。BMFは超精密3Dプリント技術を用いてバイオリアクターを製造し、外径が100μm以下で、10μm以下の微細孔を持つ毛細血管によるオルガノイドを作成します。これらの微細孔を介して培養基や栄養物質をオルガノイドに供給することにより、細胞組織の内外からの栄養供給を実現し、酸素や栄養が深く到達できない問題を解決します。この革新的な技術により、オルガノイドはより現実の人体組織に近づき、サイズ、機能、および領域の異質性を大幅に高め、体外培養組織の模倣度を大幅に向上させています。
BMFの代表取締役会長兼社長賀暁寧博士は、「デバイスの小型化、精密化、複雑化は産業発展の大きなトレンドです。金型射出成形や機械加工といった伝統的な工法、従来の3Dプリントにおいても、小型の精密部品の製造には多くの加工上の難点がありました。BMFの技術は、全く新しいソリューションを提供しています。BMFは装置、材料、工程を一体化させた複合技術を持っています。BMFは産業全般でその技術を活用できる産業の母機として、多くの分野で役立つことができます。次のステージでは、BMFは継続的に関連するアプリケーション分野での最終製品の開発を支援し、幅広い企業との広範な協力関係を強化してまいります。
急速進展する様々な機会と市場規模の拡大に直面する中、BMFは世界的な超精密3Dプリント技術の先駆者かつリーダーとして、長年の核心技術を基盤に、独自のイノベーションを続け、製品ラインを充実し続け、世界中の顧客に革命的な精密加工ソリューションを提供することをお約束いたします。今回の資金調達を通じて、BMF引き続き技術革新のレベルを向上させ、さらに最終用途の範囲を広げていきます。将来においては、BMFは精密医療や高度な製造業などの分野に深く関与し、パートナーシップを強化し、先進的な製造技術の発展を共に推進し、世界中の顧客により良い製品とサービスを提供し続けます。
