乳化剤(エマルジョン)は、食品添加物、化粧品、医薬品など幅広い分野で使用されています。 従来の乳化剤の製造方法では、分散ムラや乳化液滴の制御ができず、多くのメーカーが技術的なボトルネックに悩まされてきました。 近年、乳化剤の製造において液滴マイクロ流体工学の応用に注目するメーカーが増え、共流体制やマルチチャンネル収束を用いた液滴マイクロ流体工学が研究・製品開発のホットトピックになっています。
理想的な液滴のマイクロ流体制御は、複雑な内部配管を含んでおり、従来の機械加工や3Dプリンターが得意とするフォトリソグラフィーでは、ミクロン単位まで限界があるため、3Dプリンターを使用したマイクロ流体制御を実現できました。ここで、BMFの3Dプリンターで作製した特殊なエマルジョン発生装置を紹介させていただきます。
まず、下記の動画でエマルジョン発生装置をご覧いただけます。
(紹介動画)
続いて、BMF社製のエマルジョン発生装置の特徴をご紹介させていただきます。
- 特殊な同心円状の流路(Co-flow構造)が含まれることで、液体の混合が容易で、乳化液滴の大きさや組成などの制御が可能。
- 縦方向、横方向、異なる方向の流路を同一部品内に配置することが可能で、デザインの自由度は非常に高い。
- 一体成型で製作でき、複雑な組立工程を回避できる。
Fig. 1 BMF製エマルジョン発生装置の内部構造
BMFの3DプリンターmicroArch®S240(光学解像度:10μm)により、エマルジョン発生装置のフィーチャーサイズを50μmまで微細化することができます。 そして、今回の造形サンプルでは、最小の内部流路径が100μm、最小の壁厚が50μm であり、微小液滴のサイズ制御を効果的に行うことができました。
Fig. 2 BMF製エマルジョン発生装置のフィーチャーサイズ
BMFの3Dプリンターにご興味のある方は下記までご覧いただけます。