光造形3Dプリンターの照射方式には、大きく分けて以下の3種類があります。

光造形3Dプリンターによる高精度の造形の様子は以下の動画を参考にしてください。

光造形3Dプリンターには、以下のようなメリット・デメリットがあります。

BMF Japan株式会社が開発した「超高精度3DプリンターmicroArch® S240」は、高靭性や高温耐性、生体適合性など光硬化性樹脂以外にもセラミック素材を使用した立体造形が可能です。

また、10μmの精密光化学解像度と±25μmの加工公差を実現しており、L100mm×W100mm×H75mmまでの微細で高精細かつ高精度の造形が可能です。

さらに高速での造形が可能となっており、産業や研究分野などにおける試作品開発や中・小ロットの製作にも対応できるため、時間短縮やコスト削減に効果があります。

BMF Japan株式会社では、DLP方式を基にPμSL（Projection Micro-Stereolithography）と呼ばれる独自の光造形技術を開発しています。
PμSLは、一般的な光造形（DLP方式）と同じように紫外線照射により樹脂を硬化させて造形しますが、投影レンズの精密な制御を行うことで数マイクロメートルから数百ナノメートルの解像度を実現しています。

また、光造形3Dプリンターの導入後には以下のサポートを受けられます。

　・無料で操作トレーニングと技術相談が可能
　・不良品の修理対応
　・ソフトウェアのアップデート
　・24時間以内の対応

手厚いサポートが完備されているので、はじめて導入する場合でも安心です。

3D SYSTEMS社の「ProJet 6000 HD 光造形3Dプリンター」はSLA方式を採用しており、設置面積を最小限に抑えることでコスト削減を可能としています。
また、光造形（SLA方式）は3D SYSTEMSの共同開発者兼最高技術責任者であるChuck Hull氏が1980年代に開発し、世界で初めて商業化されたことでも知られています。SLA方式を採用した同機種は、造形速度と高い精度の両方に優れており、試作品や最終製品の造形も短時間で制作できます。

レジンは紫外線に当たると硬化する特性があるため、保管方法には注意が必要です。同機種では、未使用のレジンはタンク内で保管できるので材料コストを抑えられます。

Anycubic社の光造形3Dプリンター「Photon Mono 4K」は高さ165mm×幅132mm×奥行80mmサイズまで製作できる上に、画素数の総数は920万ピクセルを超えているため、細部に至るまで鮮明な立体造形が可能です。

また、400対1のコントラスト比を実現しており、エッジの効いたシャープな仕上がりとなり、毎時≦50mmという驚異的な造形速度を誇ります。

一般的なモデルと比較すると、約半分の時間で造形が可能となっているため、作業時間などのコスト削減に効果的です。

ASIGA社の「光造形3Dプリンター MAX Xシリーズ」は、DLP方式を採用しており、スマートポジショニングシステムを搭載することで、各レイヤーの正確なレイヤー厚の制御を実現しています。

また、LED波長385mmのハイパワーUV LEDが標準装備されており、「MAX X43」に至っては82.3mm×46.4mm×75mmまでの大型サイズの造形も可能です。

ELEGOO社の「Mars 3 Pro」は、解像度4098×2560、XY解像度35μmの6.6インチ4KモノラルLCDスクリーンが搭載されており、FDMプリンターをもしのぐ高精度な造形ができる光造形3Dプリンターです。

また、ビルドプレートはサンドブラストされているため、すべり止め効果を生み出し、迅速かつ簡単なレベリングが行える上に安定した造形が可能です。

さらに使用するレジンは、水洗いやスタンダード、ABS、植物性など、あらゆるレジンに対応しています。

ETEC社の光造形3Dプリンター「インダストリアルファミリー Pro XL」は、DLP方式を採用しており、ビルドプレートを交換することでプリント完了後から数分後には新たなジョブを開始できます。

また、システムを一括管理するダッシュボードから各拠点に設置された機種にジョブ送信することで、印刷の進捗状況やステータス、レイヤー数などを容易に監視できます。

同機種は保守性を重視した設計になっており、部品交換や清掃にかかる時間を短縮できるため、作業コストを削減できる効果があります。

Formlabs社の光造形3Dプリンター「Form 3L」は、SLA方式を採用しており、光源として250mWレーザーを2基搭載しています。そのため、大きな造形面でも高精度かつ高精細な造形が可能です。
また、操作パネルは、作業者が直感的に操作できる設計になっており、最適な造形方法を自動で提案してもらえる上に、必要に応じて手動で微調整できます。

積層ピッチも25〜300μmまで調整が可能で、造形物によって積層ピッチを調整することで作業時間の短縮に効果があります。

CREALITY社の超高速8K光造形3Dプリンター「HALOT-MAGE PRO」は、毎時170mmの造形速度を実現しており、ビルドプレートも1.2秒で昇降可能です。

また、8Kの高精度液晶を採用したことにより、従来の4Kよりもさらに細部に至るまで鮮明な解像度で造形できます。

同機種では、90％以上の光均一性により、ビルドプレート上であればどの配置でも安定した品質で製作可能です。サポート材の造形も0.1mmで製作できるため、サポート除去時の痕も残りにくい特徴があります。

Nova Robot Technology社の「NOVA3D Whale3 Ultra 14K」3DプリンターはLCD方式を採用しており、最先端のCOB（Chip On Board：チップオンボード）直接光源とフレネルレンズを搭載した機種です。
また、レジン加熱システムを搭載しているため、気温が低い時期でも安定した造形が可能です。レジンの自動供給機能もあり、レジン残量が少なくなれば自動で供給するため、造形途中に起こるレジン切れによる不具合も解消されます。

さらに卓上タイプでありながら20cm大の造形物が作れる上に、Z軸はわずか0.01mm以下の精度で造形できるため、滑らかな仕上がり表面を実現します。

PEOPOLY社の「Phenmo XXL V2」は、従来の「XXL」モデルをアップグレードし、大量生産用および大型モデル向けに開発された機種であり、作業効率の改善に有効です。

527mm×296mm×550mmまでの造形が可能で、大型の造形物でも簡単に交換が行える設計になっています。

Phrozen社のレジン3Dプリンター「Sonic Mighty 4K」はLCD方式を採用しており、毎時80mmの速度で造形可能です。また、本体重量が8㎏と非常に軽く、持ち運びもラクで既存のデスク上で製作できます。
さらにタッチパネルの操作画面を搭載しており、20㎝大の造形物の製作が可能です。

ただし、積層ピッチは0.01mm〜0.3mmと大きく、仕上がり表面の滑らかさにこだわる場合は検討が必要です。

SprintRay社の「Pro 55S 3Dプリンター」はDLP方式を採用しており、歯科専門用に設計されている光造形3Dプリンターです。あらゆる歯科治療に関連する歯科用部品や歯形の造形に役立ちます。

また、同機種は前モデルの改良版であり、従来よりも光がビルドプレート全体に均一に照射できます。さらにビルドプレートにはヒーターを埋め込み、プレート自体を温めて接着性を高めています。

PRUSA社の「Prusa SL1S」はLCD方式を採用しており、高さ40cm×幅20cm程度の造形物が作れる光造形3Dプリンターです。
また、キャリブレーション（調整・補正）を維持するクイックリリースメカニズムが備えられており、一度ビルドプレートを設定・調整しておけば、プレートを取り外して新たに設置した場合でも、再調整する必要はありません。

さらに、電動チルトヘッドが搭載されているので層のズレを防ぎ、高速での印刷を可能にしています。

定期更新されるスライシングソフトウェアは、くり抜きや自動サポート生成、簡単なオブジェクト操作、その他にも多くのツールを活用できます。

光造形3Dプリンターは造形物の大きさによって対応できる機種が異なります。造形できるサイズをよく確認し、機種を選定しましょう。
また、造形物が大きくなれば本体サイズも大型になるので、設置場所も考慮する必要があります。

どの程度の精度を求めるかによっても、選ぶべきプリンターは変わります。
たとえば積層ピッチは以下のように仕上がりに影響します。

求める精度に合わせて、解像度、加工公差、積層ピッチ等をよく確認しましょう。
一般的に光造形方式の3Dプリンターは他の方式よりも精度の高い仕上がりが期待できますが、独自技術によって超精密水準の造形を可能にしているメーカーもあります。

BMF Japan 株式会社のmicroArch®シリーズは、マイクロレベルの独自PµSL技術を開発し、以下のような仕様を実現しています。

研究や医療、電子部品など、精細かつ高品質な造形を求める場合には、3Dプリンターの仕様やスペックをよく確認することが重要です。
一方、模型や容器などでも細かなディテールを要求しないものであれば、解像度は低くても問題ありません。

また、3Dプリンターの導入を考える際は、まずは3D造形サービスを利用してみるのもおすすめです。
実際の造形物で確認してから購入を検討すると安心です。

光造形3DプリンターはUVレジンを使用しますが、UVレジンには、スタンダードレジン、水洗いレジン、ABSライクレジン、キャストレジンなどがあり、機能性や耐久性はさまざまです。

3Dプリンターによって、使用できる材料に制限がある場合もあります。機種を選定する際には、希望する材料が使えるかどうかも確認することが大切です。

また、独自の材料を開発しているメーカーもあります。
たとえばBMF Japan 株式会社では、硬化後に熱アルカリで溶解可能な「可溶性犠牲樹脂」を開発しました。

犠牲樹脂でマスターモールドを印刷し、PDMSで転写、その後マスターモールドを熱アルカリで溶解することで、精密で複雑な三次元微細構造を持つPDMSデバイスを簡単に作成できるようになりました。

また、犠牲樹脂を使えば超微細な射出成形用のモールドも印刷可能です。

光造形3Dプリンターは各メーカーによって本体サイズもさまざまです。
既存の卓上で製作する場合には軽量でコンパクトな機種を選ぶ必要があるでしょう。
一方、大きな造形物や緻密で高精細な造形物、多機能を兼ね備えた機種になれば、機能が充実しているため、本体サイズも大きく重量も数百kgになる可能性があります。
換気システムや供給電力などの付随装置が必要になる機種であれば、さらに設置場所が制限されるかもしれません。

そのため、設置場所と本体サイズを考慮することも重要です。

せっかく3Dプリンターを導入しても、消耗品の配送に時間がかかったり、入荷までのリードタイムに時間がかかったりすれば業務に支障をきたします。

また、故障対応やメンテナンスなどのサポート体制が充実していなければ、トラブル時の復旧に時間がかかることもあるかもしれません。

購入後のサポート体制を事前に確認し、どのようなサポートが受けられるのか把握しておくことも重要です。